猫の感情メカニズムは人間とほとんど同じって知ってた?

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こちらを見つめる猫(11Cats シロキー)

猫は、おおよそ自分の問題は自分だけで解決しようとします。ご飯がなければ自分で探しに行き、病気になっても自分の力だけで治そうとするなど、その性格はとても主体的です。

これは、猫が野生で生活していた頃、主に単独で行動していたための名残であるといわれていますが、実はそれだけが理由ではありませんでした。

心理学専門の海外サイト『Psychology Today』によれば『猫は、私たち人間に90%類似した脳の構造を持っている』というのです。

また、猫の脳の『大脳皮質』はとても発達しており、その構造も犬と比べると約2倍ほど複雑なものになっているのだそうです。

この『大脳皮質』は、知覚や思考、記憶などを司る、脳の中でも高次な処理を行う部位であることから、猫の感情は人間と同じようにとても豊かで、また非常に頭が良い動物であるということがわかります。

そこで今回は、そんな豊か感情を持つ愛猫との暮らしを、日常の様々な角度から改めて掘り下げてみたいと思います。

もくじ

鳴き声でコミュニケーション

猫界では、猫同士のコミュニケーションを、しぐさや体の部位を使って行います。

人間界のコミュニケーション術においては、アイコンタクトは欠かすことのできない重要な要素です。しかし猫界では『相手の目を見てはいけない』という暗黙のルールがあるため、目ではなくしっぽや耳などのしぐさで、自分の感情を相手に伝えるのです。

しかし、人間の多くはこの猫界のルールを知りません。また、しっぽや耳のしぐさが何を表しているのか、これも理解していない人がほとんどなのです。

しかし賢い猫は、そのことを十分に理解しています。そこで、人間相手には『鳴き声』で、自分の欲求や感情を伝えようとします。

実はこの説は、今まで人間側が勝手に解釈していたものであると考えていました。しかし、猫の脳の構造からするに、これは本当に猫自身が考えた末の、人間とのコミュニケーション術だったのです。

家に帰って来た際、玄関で出迎えてくれるときの「ニャー」

おやつが欲しくて足にスリスリ おねだりの「ナァー」

退屈で一緒に遊んで欲しいときの「ニャオー」

これらは全て、愛猫からあなたへのメッセージであり、同時にコミュニケーションを育むための絶好の機会だったのですね。

愛猫さんがあなたの向かって鳴いているときは、必ず何か愛猫さんなりの考えがあってのことです。『愛猫が伝えようとしていることが何なのか?』これを、毎回真剣に読み取ろうとする努力が、愛猫さんとの密な信頼関係の構築につながります。

ぜひこれからは、そんな愛猫さんの小さなメッセージに耳を傾けてあげてください。

自由で気ままな猫の性格

段ボールから顔をのぞかせる猫(11Cats ギズ)

犬派の人は、忠実で愛想らしい犬の特徴を愛しています。一方猫は『飼い主と自分』という関係性を好まず、基本的には自己中心的で束縛されることを嫌います。

猫派からすれば、これは猫の可愛らしい特徴となるのですが、犬派の人や猫嫌いな人からすれば「猫は愛想がないから好きになれない」と思われてしまうようです。

しかしこれは「相手(猫)が自分たちとは違う動物だ」と思ってしまっているからであると考えます。

猫は人間とほぼ同じ感情を持ち、人間と同じように物事を考えている。この事実を知って貰うことができれば、そんな猫嫌いな人にも、改めて猫を違った角度から見て貰うことができるのではないでしょうか?

もしあなたの周りに、猫があまり好きではない人がいるのであれば、ぜひこの記事を紹介してみてください。もしかすると、猫を好きになって貰えるきっかけになれるかもしれません。

猫の記憶力

冒頭でお話ししたように、猫の脳の記憶を司る部分はとても発達しています。2007年に発表された猫の記憶に関する論文によれば『猫の短期記憶力は、最大で人間の20倍』という驚きの結果も残っています。

短期記憶とは、短時間でしか持続しない記憶のこと。

例として、直前に覚えた電話番号は電話をかけた瞬間に忘れてしまうことなどが挙げられます。人間の短期記憶は平均30秒とされていますが、猫はどうでしょうか。

猫の短期的な記憶を調べた2007年に発表された論文では10分以上も記憶が持続しているという結果がでました。

実に人間の20倍以上です。

引用:【獣医師が解説!】猫の記憶力は人間よりも良い?より

また猫は、こうした記憶力だけではなく、その記憶に基づいた情報処理能力も優れています。世の中には人間の行動を学習して、ドアノブを回して自分で扉を開ける猫や、人間用のトイレで用を足すという非常に賢い猫までいるのです。

私たちの日常的な行動を、そんな風に愛猫に見られているとなると、ちょっと恥ずかしいような、なんともいえない複雑な気持ちになりますね。

しかしこの記憶力の良さが、逆に仇となってしまう場合もあります。特に、野生で生き抜くための本能から『嫌な記憶』や『怖い経験』ほど、強く記憶に残りやすいという性質を持っているのです。

そのため、トラウマや苦手なものを多く抱える猫も多いといいます。

具体的には、突然大きな音がしてビックリさせられた場所、誤って怪我をしてしまった場所。また、お風呂や爪切りなどの人間が行うケア。さらには不味かった、喉に引っかかって不快な思いをした食べ物など、そのシチュエーションは様々です。

元々警戒心が高く、神経質な猫の性格を考えると、日常生活の不安要素を全て取り除いてあげることは難しいかもしれません。

しかし私たちは、できるだけ愛猫にこうした嫌な記憶を残さないようにしたいと考えます。あなたの家が、愛猫さんにとって一番快適な環境であるということは、そのまま愛猫のさんの幸せにも繋がります。

猫の目線で見て危険はないか、落ち着いてくつろげる場所はあるか、おいしく食べられる食事かなど、少しの気遣いで改善できることはたくさんあるはずです。

ぜひ、愛猫さんに少しでも『嫌な思い出』を残さないよう、あなたなりのやり方で、素敵な共同生活環境を創ってあげてください。

まとめ

本を読むが集中力が続かない猫のイラスト(11Cats ギズ)

余談ではありますが、猫好きには孤独を好む感性豊かな人や、繊細な性格を持ち合わせた人が多いのだそうです。個人的には、こういった人は猫を動物としてではなく、一人の人間として見ているからではないかと思っています。

今回は、猫の脳はとても優れているという観点から、日常の猫の生活を色々な角度から改めて掘り下げたお話をお届けしました。

猫は、人との協調性を優先して進化した犬とは違って、自立に向けて進化した動物です。もしかすると、あと数百年もすれば人間語を話す猫も登場してくる、と考えるのは少し短絡的でしょうか?

本記事が、あなたとあなたの愛猫さんの豊かな暮らしを創るお役に立てれば幸いです。

参考記事:【Psychology Today】THow Smart Is Your Cat?

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