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【11Catsストーリー】”クロコ”って…誰?

シロキー&コクロコさんとの出会いをお話しするにあたり、まずは、クロコの紹介をせねばなりません。

クロコとは、お気付きの通りシロキーとコクロコさんのママです。

この子との出会いもまた、なかなか衝撃的でした(笑)

もくじ

事件

その日、私とモーさんが帰宅したのは、辺りも薄暗くなってからでした。車を降りると、コキチさんの「ニャ~」という鳴き声がしたのです。

「えっ!! …うそ!?」

鳴き声のした方を見ると、そこには脱走したコキチさん。私の頭は一瞬でパニックになり、アドレナリンの出まくった体は震えが止まりません。

「何で?ちゃんと窓も玄関も閉めたはず」

「早く捕まえなきゃ…」

「車に轢かれちゃう…」

「このまま遠くへ逃げてしまったらどうしよう…」

そんな悪いことばかりが頭をグルグル回り、落ち着いて対処することができずにいました。

とにかく、コキチさんを怖がらせないようにと、ゆっくりしゃがんで優しい声で「おいで~」と呼ぶと、付かず離れずの距離で「ニャ~」と甘えた声で鳴いています。

なかなか距離が縮まらず、ヤキモキしている時にカバンの中に猫のオヤツが入れてあるのを思い出した私は、ワラにもすがる想いで駐車場にオヤツを撒いたら大成功☆

「コキチさんGe…t…」

アレ?

様子がおかしい…

なんと、顔も声もサイズも模様もソックリな野良猫さんだったのです。

コレがクロコとの最初の出会いでした。

クロコの名前の由来は、先述したようにビジュアルだけでなく声もコキチさんに似ていたことから “コキチさんの影武者?” という意味合いと、コキチさんより少し色が濃かったので「黒子 → クロコ」になりました。

↑ この写真で見ると、色が全く違って見えるけど、顔の造りが似てません?

クロコという子

クロコはいわゆる “地域猫” というやつで、頭が良くて人懐っこい性格から、色んな所でご飯にありついていたようでした。

朝昼はどこかのお家でご飯をもらい、夜になると我が家にご飯をねだりにくる生活がしばらく続いていたのですが、ある日から急にパッタリと現れなくなってしまったのです。

最初は「まさか…」と、最悪の予想もしましたが「大丈夫、あのこは何処かで上手に生きてる!」と自分に言い聞かせて、普段の生活に戻りました。

それからどのくらいの日数が経ったのか、梅雨に入り連日雨の続くバイトの帰り道、もう1分で家に着くって所を運転していると、目の前をクロコが横切ったのです。

とりあえずそのまま一旦家に帰り、駐車場に車を止めた私は、さっきクロコが通った周辺を見に行きました。

そして見つけてしまった…。

天使より可愛いクロコkids♡

「大丈夫、あの子は何処かで上手に生きてる!」って思ってたけど、まさか、近所で上手に子育てしてるなんて♪

あのとき、野良猫のたくましさを見せられた気がしました。

クロコkids

クロコの産んだ赤ちゃんは5匹。

・黒猫
・白黒(シロキー)
・茶トラ×3(どれかがコクロコさん)

この子達がいたのは近所の一軒家の裏手で、家の壁と柵の間の狭いスペースだったのですが、私から見れば問題だらけの場所でした。

一軒家の裏手と聞くと、安全そうに聞こえるでしょうが、柵の横には車の通る道路。その柵も間隔が15cmほどあるので子猫なら簡単に抜けられるし、人の手も簡単に届いてしまう場所なんです。

嫌な予感は的中。

下校の時間、子猫を見つけた小学生の男の子が柵の外へ連れ出し、子猫でレースをして遊び始めたのです。

猫好きの私は、気が振れるほどの怒りをなんとか抑え、その少年たちと同い年位の女の子を味方につけ「あの子猫さん達を男子から守ってあげて!」とお願いして、その場を収めました。

おかえり

私の心配をよそに、子供達は元気に成長していきます。

クロコに考えがあってなのか、子供達が成長して走り回るくらいになった頃には最初の産んだ家を離れ、少し奥まった、坂の上にある家に住みつくようになりました。

その家は、当時私が借りていたアパートの横だったので、子供達の遊んでいる姿をよく見ることができました。

家が近いこともあり、再びクロコが夜ご飯を求めて我が家を訪ねてくるようになったのです。

子供達にお乳を吸われると、栄養も持っていかれるだろうからと、クロコが来るたびに栄養価の高い猫缶とミルクをあげました。

人間の世界でも「親の背中を見て育つ」といいますが、動物の場合はそれが唯一の学び方であり、生きる術を身につける手段です。

ある日、いつものようにご飯を食べに来たクロコの後ろに、1匹だけ子猫がついてきました。もう、尋常じゃないほどの警戒心を剥き出しにしながら。

その様が可愛くて、そっと覗き込んだら猛ダッシュで逃げられちゃいました(笑)

それ以来、クロコの後をついてくる子供達の数が少しずつ増え、最後にはみんなで揃って来てくれるようになりました。

日が進むにつれ子供達も少しずつ大きくなり、いつの頃からかクロコが居ない時でも、kidsが各々でご飯を食べに来るようになっていきました。

中でもシロキーとコクロコさんはペアで行動する事が多く、食い意地も張っていたので、我が家に一番顔を見せる子達でした。

コクロコさんと同じ色の他の2匹と黒ニャンは自然と来なくなったので、ウチの様にご飯をくれる家を見つけたか、飼ってくれる人が居たんだと思います。

こうやって数ヶ月の間、kids達の成長を見守っていく中、突然の悲しい知らせが入りました。

決意

ある日の夜、バイトから帰ってきた妹が言うのです。

今朝、小学生の女の子が

「あの死んでた黒猫かわいそうだったね。まだ子猫なのに…」

と話しているのを聞いてしまったと。

私が呑気に「どこかで飼われてるんだろう」と思っていた頃、黒ニャンは人間の運転する車にはねられていた…

その悲しみと怒りは深く、数日は黒ニャンを思い出しては泣いていましたが、この強い感情が決断に変わります。

「今ウチに来てるこの2匹だけでも、私が守ろう!」

そして、シロキーとコクロコさんをウチで飼うことを決めたのです。

つづく

さて、今回はシロキーとコクロコさんの紹介をするに当たって、切り離す事のできない母猫クロコとの出会いについてお話をさせて頂きました。

次回はシロキー、コクロコさん、そしてその子供達の生い立ちや性格などを順番に綴っていきますので、また読みにきてくれたら嬉しいです。最後までのお付き合い、ありがとうございました!