あなたもご存じの通り、猫はとても好奇心の旺盛な冒険家です。
人間が思いもよらない隙間に入っていったり、自分(猫)の足の幅しかないカーテンレールを渡ったり。
また何かの拍子に興奮すると、自制が効かずに走り回ったりして、注意力が低下することもしばしば。
「室内飼い」といえど、猫にとっての危険はそこらじゅうに潜んでいます。
そこで今回は、猫の気持ちと行動から起こりえる事故、それによって生じる怪我を未然に防ぐ方法と、事故が起こってしまった時の応急処置をご案内していきたいと思います。
もくじ
今すぐチェック!あなたの家にも危険がいっぱい
ここでは、私たちがついつい見落としがちな、家の中の危険ポイントを探して改善していきましょう。
浴室・洗面所
【浴槽】
あなたの家では、残り湯を溜めたままにしていませんか?
猫は浴槽に溜まった水にも興味深々。
そんなお風呂の水を触ろうとしたり飲もうとしたりして、ときには水中に落ちてしまう事も。
最悪、溺れてしまった場合、発見が遅れれば後遺症が残ったり、命の危険も十分に考えられます。
どちらにしてもこのときに辛い思いをするのは、他ならぬあなたの家族である猫です。
こうした危険をなくすためにも、お風呂のお湯は流してしまうのが一番ですが、残り湯があるときは必ずフタを閉めるようにしましょう。。
軽いフタの場合、猫の体重でフタごと風呂桶に落ちてしまうこともありますので、お風呂のドアも閉め忘れないよう注意して下さい。
また、浴槽に水がないからといって開放しておくと、シャンプーなどの薬品を舐めてしまう危険があります。やはりお風呂場のドアは閉めておくべきです。
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【洗濯機】
意外と危険な場所であることを忘れがちなのが、この洗濯機です。
洗濯が終わった後、濡れた洗濯槽を乾かすためにフタを開けたままにしていませんか?
そんなフタの開いたままの洗濯機には、ちょっと目を離したすきに猫が入っていることがあります。
洗濯機を使う前には必ず、猫が入り込んでいないか確認するようにして下さい。
電化製品
【コンセントの穴】
あなたの家では、コードが刺さっていないコンセントの穴をそのままにしていませんか?
これは猫がコンセントの穴に爪を引っ掛けて感電する恐れがあります。
使っていないコンセントの穴(延長コードも)は、コンセントカバーで塞いで下さい。
また、現在使用中の場所を保護するカバーも売っていますので、より安全を期すためにはオススメです。
コンセントカバーは、100円均一やホームセンターでも入手できます。
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【電気コード】
あなたの愛猫さんに、噛み癖はありませんか?
賢い猫さんは、あなたの目を盗んでコッソリといろいろなところを噛んでいるかもしれません。
そんな猫さんが、コンセントが刺さった状態で電気コードを噛んでしまうと感電してしまう恐れがあります。
使っているコード類は、出来るだけじゅうたんやカーペット・マットの下などに隠し、どうしても出てしまう部分は『コイルチューブ』で保護することをオススメします。
こちらも、100円均一やホームセンター、電気屋さんでも入手できます。
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【電気ポット】
電気ポットを高い位置や不安定な場所に置いていませんか?
猫が飛び乗ったときにポットを落として怪我をしたり、フタが開いて熱湯で火傷をする危険があります。
ポットは低めのテーブルに置くか、猫が入れない場所に設置してください。
【電気コンロ】
動物は炎を怖がるので、ガスコンロが点いているときはよっぽど近付きません。
しかし、電気コンロは見た目では熱さが分からないので、猫さんが乗って手足を火傷してしまう恐れがあります。
ガスコンロにも言えることですが、使用中はそばから離れないようにして下さい。
【アイロン】
アイロン・ヘアアイロン、どちらも火傷の危険があります。
使った後は、鉄やセラミック部分が冷めるまで、猫さんが触れないように注意してあげて下さい。
扉
【換気】
空気の入れ替えをしようと窓を開けたとき、突然、家の扉が「バタン!」と閉まってビックリした事がありませんか?
あの勢いで閉まる扉に、猫さんが挟まれたら大変です。
また、このとき一番挟みやすいのは尻尾です。
猫はシッポを骨折すると、平衡感覚がつかめなくなったり、排せつが困難になります。
扉を開放するときは、ドアストッパーで固定してから空気の入れ替えを行って下さい。
*猫は扉が閉まるギリギリで、駆け込んでくることがよくあります。あなたが部屋の出入りをする際も「来るかもしれない」という意識を常に持って、猫がいないことを確認してから、そっと閉めるクセをつけてください。
【網戸】
猫は網戸で爪を研いだり、虫を見つけてはよじ登ったりします。
このとき、猫の体重に負けて網戸が外れて落ちてしまうことも。
危険を最小限に抑えるためにも、窓ガラスを全開にするのは控えましょう。
また、飼い主さんの行動をみて、網戸の開け方を覚える賢い猫もいます。
我が家にも、網戸を開けて外に出ようとする子がいるので、開けられない様に外側から突っ張り棒で固定しています。
大型の100円ショップに行けば、短いものから長いものまで売っています。
誤飲・誤食
【食べ物】
台所の三角コーナーに、生ゴミを置きっぱなしにしていませんか?
飲みかけのコーヒー、紅茶やお菓子などが机の上にそのままになっていたり。
私たちが日頃、口にしている食品の中には、猫にとって有害なものがたくさんあります。
■ ネギ類:生でも、火を通していたとしても、貧血や血尿を起こします。
■ エビ、イカ、タコ、カニなど:生でたべてしまうとビタミンB1欠乏症になります。
■ 骨や甲殻類の殻:食道や胃腸を傷つけ、食道炎を起こす可能性もあります。
■ アルコール類:脳や体の細胞を壊し、神経症状や呼吸困難を引き起こして昏睡状態になり、最悪は命を落とす場合もあります。。
■ カカオ類:チョコレートやココアなどに含まれるカカオの中には、中枢神経・心臓・肝臓に悪い影響を与える成分が入っています。こちらも、最悪の場合、命を落とします。
■ カフェイン:コーヒー、紅茶などに含まれるカフェインも、カカオと似た毒性を持っています。特に茶葉やコーヒーの粉などは、お湯で薄まっていないため、より命の危険が高まります。
このような事態を引き起こさないためにも、飲みかけ食べかけのドリンクやお菓子は、猫さんの触れない場所にしまい、生ゴミはフタ付きのポリバケツに捨てましょう。
我が家では、残飯を入れる容器として、100円均一で買ったフタ付きの小さいバケツを使っています。
また普段使うゴミ箱も、猫さんがあさらない様、フタ付きのモノがオススメです。
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【小物】
ソファーやベッドの下、テレビの裏の隙間に、輪ゴムやピアス・ネジなどは落ちていませんか?
猫は何でもオモチャにします。また遊んでいるうちに感情が高まり、間違って飲み込んでしまうこともあります。
猫が入り込める場所、また手を入れるスペースが空いてるような場所は、常にチェックしておきましょう。
観葉植物
あなたの家には観葉植物を置いていませんか?
観葉植物を置くと部屋の景観は良くなりますが、中には猫が食べると有害なものも多数存在します。
猫には草を食べる習慣があるので、こうした毒のある観葉植物が部屋の中に置いてあると非常に危険です。
どうしても部屋に緑が欲しいなら、猫が食べても平気な観葉植物を調べるか、猫草を置くとよいでしょう。
猫草なら、猫さんも喜んでくれるので一石二鳥ですよ。
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応急処置
事故や不注意によって猫さんが怪我をしてしまったら、とにかく病院へ連れていく事が先決です。
しかし、一刻を争う状況にでくわした場合は、応急処置をすることで、その後の後遺症の軽減や猫さんの命を救うことができます。
あまり考えたくはありませんが、愛猫さんに「もしも」の事があったときのために、ここで一緒に勉強しておきましょう。
溺れた
【水を大量に飲んで意識をなくしている】
すぐに水中から救出して猫の腰を持ち上げ、口が地面を向くように体を逆さまにして上下に振り、背中をたたいて気管に入った水を吐きださせます。
その後すぐ病院へ!
【呼吸が無い】
猫の口を開け、舌を引っ張り軌道を確保したら、心臓マッサージをします。
*心臓マッサージは、動物病院に電話して先生の指示を仰ぎながら処置しましょう。
感電した
感電により、肺水腫を起こすことがあります。
肺水腫がおこると、呼吸が荒い・鼻水やよだれを垂らすといった症状が見られます。
この症状をみつけたら、すぐに動物病院へ連れて行って下さい。
骨折
猫の骨は、思いのほか簡単に折れてしまいます。
足を引きずったり、動かないときは骨折している可能性があります。
痛そうにしている箇所を触らないよう注意しながら、キャリーケースや段ボールに入れて、すぐに動物病院へ連れて行って下さい。
誤飲
口のなかにまだ残っているなら、指を入れてすぐに取り出して下さい。
飲み込んだものは数時間で腸に到達するため、命の危険もあります。
自分で取り出せなかったときは、すぐに動物病院へ連れて行って下さい。
異常があるときは、とにかく病院へ!
インターネットで動物関連の記事を見ていると、よく目にするのが
・ウチの猫が○○なんですけど、病院に連れていくといくらかかりますか?
・ウチの猫が○○になってしまいました。どうしたらいいですか?
といった質問です。
そこに回答をしているのは、猫と暮らす上で色々な経験をしてきた飼い主さんたち。
とても素敵なコミュニティーだとは思いますが、人間の病気や怪我と同じように、適切な診断と治療をすることが回復への一番の近道です。
それが出来るのは、やはりちゃんと動物のことを勉強してきたお医者さん。
もしものとき、猫を助けるための最良の判断は、私たちが下すのではなく、まずは専門知識のあるお医者さんに診ていただくのが一番です。
あなたの「病院へ連れて行こう」という判断が遅れれば遅れるほど、猫さんの症状は悪化し、診療代もかさんでいきます。
「猫と暮らす」と決めた以上、その子が生涯を通して病気や怪我に見舞われないよう最善を尽くすのが私たちの責任です。
とはいえ、診療の料金が異常に高い病院や、横柄な態度で接してくる先生もみえるので、病院選びはしっかりと行って下さい。
最後に
さて今回は「愛猫を事故や怪我から守る方法と応急処置」について、お話をさせて頂きました。
私たちが普段の生活の中にある「危険」をいち早く見つけ取り除くことで、猫さんが事故や怪我をする確立は格段に下がります。
これを機に、あなたの愛猫さんが「安心して暮らせる環境」であるかどうかを見直してみましょう。
もしかすると、今まで気付かなかった「危険な場所」があるかもしれません。
この記事が、あなたと愛猫さんの生活を守るお手伝いになれば幸いです。