疲れて自宅に帰ってきても、愛猫がスリスリと寄ってきてくれるだけで、1日の疲れや嫌なことも全部吹っ飛んじゃう。
毎日、そんな小さな幸せを感じている愛猫家さんも多いのではないでしょうか?
ではこの『猫のスリスリ』は、単純に「甘えたい気持ちの感情表現」であったり「おかえり」「寂しかったよ」といった挨拶の意味があるだけなのでしょうか?
そこで今回は、そんな『猫のスリスリ』の理由と共に『より愛猫に好かれるためのベストな対処法』も併せてご紹介していきたいと思います。
あなたと愛猫さんのより良いコミュニケーション作りのお役に立てると幸いです。
もくじ
猫のスリスリの理由1『飼い主についた変なにおいを消そうとしている』
帰宅時のスリスリや、お風呂上がりのスリスリには「飼い主についた変なにおいを消したい」という愛猫の気持ちが隠されています。
ご存知の方も多いかもしれませんが、実は猫のスリスリは『マーキング』を行うためのものであり、自分の好きな物や相手に対して「これは自分のもの」という“匂いで印をつけるため”に行っているといわれています。
猫は「おでこ」や「口まわり」、さらには「肉球」や「お尻」にも『臭腺(しゅうせん)』と呼ばれる『自分独自のにおいを出す器官』を持っており、ここから人間には嗅ぎ分けられない“かすかな香り”を出すことでマーキングを行っています。
そんな臭腺の中でも『おでこ』や『お尻』から発せられる臭いは、“特に強いもの”であるようです。
そのため、あなたの帰宅時やお風呂上りには、せっかくつけた自分の臭いが消えてしまっているので、頭をこすりつけたり、しっぽを立てて足にスリスリと体を寄せることで『もう一度、自分の臭いをつけ直している』というわけですね。
帰宅時やお風呂上がりのスリスリに対するベストな対処法
帰宅時やお風呂上がりに、激しくスリスリしてくるときの猫の心理は、自分のお気に入りが取られたという悔しさよりも、どちらかといえば「自分の臭いがしない不安」の方が大きいといわれています。
あまりにも仕事で疲れた帰宅時などには、愛猫さんのスリスリが煩わしく感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、このときの愛猫さんは「飼い主さんから知らない臭いがすること」に大きな不安を感じている可能性があります。
今後の信頼関係をきちんと保つためにも、帰宅時やお風呂上がりのスリスリには、特に深い愛情を持って応えてあげることがベストです。
ぜひ帰宅時やお風呂上がりのスリスリに対しては「ただいま〜、元気にしてたかな?」「どうしたの?よしよし」と優しく声をかけながら、愛猫さんに思う存分スリスリさせてあげてください。
猫のスリスリの理由2『甘えたい』
いつもはそっけない態度をとるくせに、突然スリスリと寄ってくるときは、愛猫さんが「甘えたい」と感じているときです。
猫に限らず、人間を含む多くの動物は「赤ちゃん返り」とも呼ばれる、突然、子供のころに戻ったような感覚に陥ることがあります。
大人になった人間でいえば「ふと昔を思い出して切なくなった」という、あの感覚です。
猫はそんな感情に陥ったとき、寂しさを紛らわすために近くの人間に甘えることがあるといわれています。
突然甘えてきたときのベストな対処法
「甘えたい」と思ってスリスリしてくるときの愛猫さんは、マーキングという意味よりも「かまってほしい」という気持ちの方が強いようです。
ですので、帰宅時やお風呂上がりのときとは違い、思う存分スリスリさせてあげるというよりも、あなたの方から積極的なコミュニケーションを取ってあげることがベストな対処法です。
ただし猫は『構われすぎるのは嫌』という、何とも猫らしい特性も持っていますので「赤ちゃん返りモードが終わったかな?」と感じた際には、それ以上構わないようにしてあげる配慮も必要です。
あまりにも構いすぎて愛猫さんの機嫌を損ねてしまうと、せっかく赤ちゃん返りで気持ちよくなっている愛猫さんを怒らせてしまう可能性もあります。
我が家では、赤ちゃん返りが終わったかどうかの判断を、愛猫の『目』や『しっぽの動き』を見て判断するようにしています。
黒目の部分が大きくなってきたり、しっぽをやたらとブンブン振るようになると『赤ちゃん返りタイム』の終了が近い可能性があるので、これをやめ時の判断の基準にしていただくと良いかもしれません。
猫のスリスリの理由3『ご飯のおねだり』
我が家ではご飯やおやつの時間がきちんと決まっているためか、このパターンのスリスリを見かけることはあまりないのですが、猫は「ご飯がほしい」という合図でも、スリスリを利用することがあるようです。
猫は非常に賢い動物であるため、自分の行動で相手(飼い主さん)がどんな反応をしたのかをちゃんと覚えているのだとか。
つまり帰宅時のスリスリや、赤ちゃん返りのときのスリスリで「飼い主さんがいつもよりかまってくれた」ということを、きちんと覚えているというわけですね。
そこで、人間の言葉が話せない猫は「スリスリして飼い主さんの注意を引くこと」で、自分の要求を伝えようとしているのではないかといわれています。
お腹が減っている時のスリスリに対するベストな対処法
ご飯が欲しいという欲求が明確であれば、すぐにご飯をあげることがベストな対処法ですが、もしかするとただ単に「遊びたい」だけや、前述の「赤ちゃん返り」の合図である可能性もあります。
また、いくらお腹が減っていてスリスリしてきたとしても、ご飯の時間以外でむやみに食べ物を与えることは、愛猫さんの健康を考えると決してオススメできません。
たまにおやつをあげる程度であれば問題はありませんが、欲しがったときに欲しがるだけ食べ物を与えることは、愛猫さんが肥満になってしまうリスクがあるばかりか、その後のお互いの関係に悪影響を及ぼす可能性もあります。
きちんと毎回、決まった時間に食事を用意しているのであれば「ご飯のおねだりスリスリ」は心を鬼にして、要望に応えない配慮も必要です。
猫のスリスリの理由4『ただのあいさつ』
2匹以上の猫さんと暮らしている方であれば、よく見かける光景かもしれませんが、猫は猫同士のあいさつで頭をこすりつけあうことがあります。
もし愛猫さんが「臭いをつけたい」「甘えたい」「ご飯が欲しい」以外の理由でスリスリしてくるようであれば、それは仲間であるあなたへの『ただのあいさつ』です。
挨拶をしてきた愛猫に対するベストな対処法
人間界でもあいさつをして貰ったら、きちんとあいさつで返すのが礼儀です。
これは猫の世界でも同じで、あいさつをしたのに無視されれば「なんだこいつは!」と思われてしまいます。
もし愛猫さんがさりげなくあいさつをしてきた際には、あなたもあいさつで応えましょう。
ちなみに筆者は、愛猫が挨拶をしてきた際には、自分もひたいをこすりつけてあいさつを返すよう心がけていますが、かなりの確率で嫌がられますので、この方法はあまりオススメできません。
猫の『スリスリ』に隠された4つの理由と好かれるためのベストな対処法 まとめ
今回の記事は、いかがだったでしょうか?
愛猫からスリスリされることは、猫との暮らしの中でも特に幸せを感じられる瞬間です。
さらに正しい対処法を知っていれば、これほど貴重なコミュニケーションの方法はありません。
ぜひあなたと愛猫さんの信頼関係をより良いものとするためにも、本記事がお役に立てることを願っています。