今回は、猫の体の中でも1、2を争うほどの重要な部位である「しっぽ」が持つ、不思議な3つのヒミツをご紹介します。
この記事に、あなたの知らなかった「猫のしっぽにまつわる真実」が隠されているかもしれません。
愛猫さんの体のヒミツをもっと深く知るためにも、ぜひ最後までご覧下さい。
もくじ
猫のしっぽが「ブワッ!」っとなる仕組み
あなたも、愛猫さんがしっぽの毛を「ブワッ」っと逆立てているのを見たことがありませんか?
一般的には、怒っているときや威嚇するとき、対峙する相手に体を大きく見せるために、猫はしっぽを膨らませるといわれています。
しかしウチの子の中には、甘えてゴロゴロいいながらしっぽを太くする子もいます。
あなたの家の猫さんも、オモチャで遊びながらテンションが上がってしっぽが太くなったりしていませんか?
あれはどう見ても怒っているとは思えません。
となると気になるのは、「猫はどんな時にしっぽが大きくなるのか?」ということ。
そこで、このヒミツについて調べてみました。
あなたも知ってる「あのホルモン」が作用していた!
しっぽに限らず、猫の毛を逆立てているのは「立毛筋(りつもうきん)」と呼ばれる筋肉だそうです。
この筋肉が収縮することによって皮膚が引っ張られ、毛が垂直に立つことで「猫の毛が逆立った状態」になります。
また立毛筋を収縮させるには「あるホルモン」が関係しているのですが、それは何だと思いますか?
ヒントは “怒りや驚き” です。
・・・・答えは、あなたもご存じの『アドレナリン(副腎髄質ホルモン)』です。
猫の毛は、アドレナリンが分泌されたことによって作用する交感神経が立毛筋を収縮させ、逆立っていたのです。
人間でも同じですが、アドレナリンは「怒り・驚き・恐怖・強いストレス・興奮」の状態にあるときに、脳から分泌される成分です。
これを猫さんのパターンに当てはめてみると・・
・他の猫とケンカをした(怒り)
・突然、大きい音がした(驚き)
・高い所から落ちそうになった(恐怖)
・家に知らない人が来た(ストレス)
・遊んでいるうちにテンションが上がった(興奮)
確かに『アドレナリン』と『しっぽ』は、リンクしているような気がしますね。
また『逆立つ猫の毛』の中でも、特にしっぽが太くなりやすいのは、猫の体の中で一番たくさんの筋肉と神経で構成された部位が『しっぽ』だからだそうです。
つまり『アドレナリンの影響を特に受けやすいのがしっぽ』というわけですね。
猫のしっぽは外から触れる内臓?!
タイトルが若干気持ち悪いですが、実はこれ、かなり事実に近い言葉なんです。
といのも、先ほどお話したように、猫のしっぽはたくさんの筋肉と神経で構成されています。
ちなみに猫のしっぽの筋肉は・・
・内背側仙尾筋(ないはいそくせんびきん)
・外背側仙尾筋(がいはいそくせんびきん)
・外腹側仙尾筋(がいふくそくせんびきん)
・内腹側仙尾筋(ないふくそくせんびきん)
・直腸尾筋(ちょくちょうびきん)
・尾横突間筋(びおうとつかんきん)
この6つの筋肉で構成され、この筋肉を動かしているのが「尾骨神経(びこつしんけい)」です。
そして、そんな尾骨神経は・・
・骨盤神経(こつばんしんけい)
・陰部神経(いんぶしんけい)
・下腹神経(かふくしんけい)
こんな、他の役割を果たしている神経ともつながっているのです。
そのため猫のしっぽを強く引っ張ったり、骨折したりしてしまうと・・
・平衡感覚がつかめずに、うまく歩けなくなる
・オシッコやウンチが出せなくなる
といった、命の危険もある深刻な事態を招きます。
しっぽの骨折は、手や足の骨折よりも大きなリスクが伴いますので、猫さんのしっぽには特に注意が必要です。
家の中の扉はきちんとドアストッパーを付けるなどして、最悪、猫さんのしっぽが挟まれないように工夫しましょう。
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曲がったしっぽ「かぎしっぽ」になる理由
我が家のデブ猫ココクーも、しっぽの先が曲がっています。
余談ですが、かぎしっぽになっているせいか、ココクーのしっぽの毛は根元部分しか逆立ちません。
この「かぎしっぽ」と呼ばれる特殊な猫のしっぽは、そうなったとされる『2つの説』があります。
その1:赤ちゃんのころに踏まれた説
一つ目は、「赤ちゃんのころに踏まれた」という説。
猫は一度の出産で、4~5匹の赤ちゃんを産みます。
母猫のお乳を吸うときに、兄弟たちと押し合うなかでしっぽを踏まれて曲がってしまったというもの。
ただし、赤ちゃんのころは骨も柔らかいので「骨折」というよりは「変形」の方が正しい表現ですね。
しつこい様ですが、猫のしっぽの骨折は深刻な事態を招くので、赤ちゃんのときの骨折には特に注意しましょう。
その2:遺伝によって曲がっている説
2つ目は、「遺伝によって生まれつき曲がっている」という説。
これは「説」というより、実際にそうやって産まれてくる子がいるようです。
ただ、この “しっぽが曲がる遺伝子” は「劣性遺伝(れっせいいでん)=弱い遺伝」なので、片親のしっぽが『かぎしっぽ』だったとしても、ほとんど産まれてくることはないそうです。
そのためかヨーロッパでは、かぎしっぽの猫を「幸運をひっかけてくる猫」と呼び、親しまれているそうです。
最後に
さて今回は「猫のしっぽに隠された3つのヒミツ」について、お話をさせて頂きました。
最初にお話しした、「甘えてゴロゴロいいながらしっぽを太くする」ウチの猫は、よしよしをされた嬉しさのあまり、興奮してしっぽを膨らませていたんですね。
なんて幸せな子なんでしょう(笑)
猫さんのしっぽは「感情、歩行、排せつ」など、実にたくさんの役割を担っています。
だからこそ、一緒に暮らす私たちは特に注意を払ってあげなければいけません。
これは「普段から猫さんの視点で生活する」という心がけが大切だと思います。
あなたも「自分が猫だったら、この家で安全に暮らせるか?」という目線で、家の設備を見直してみて下さい。
そんなあなたに対してなら、きっと愛猫さんも愛情を持って応えてくれることでしょう。