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猫の目はどちらかといえば『ツリ目気味』で、愛想らしい丸い目をした犬とは対照的に、ちょっとキツイ印象を受けます。
またその性格も自ら愛想を振りまくタイプではないので、愛犬家の方からすると、猫は「生意気」や「愛想がない」といったイメージを持たれるかもしれません。
しかし、普段はそんなそっけない猫でも、丁寧なコミュニケーションを育んで、信頼関係を築くことさえできれば、普段は見せないとても可愛らしい一面も見せてくれます。
この姿を一度でも見て頂ければ、ちょっとキツめの猫の目も、普段はそっけないその態度も、猫のキュートな特徴として受け入れて貰えるのではないかと思います。
そこで今回は、そんな『猫の目』について、そのメカニズムや特徴、またさりげないしぐさに隠された猫の気持ちを掘り下げてご紹介したいと思います。
もくじ
目のしぐさから気持ちを知ろう
猫は一般的に無表情で、あまり感情を顔に出さないといわれていますが、猫と一緒に暮らしている私たちにとっては、決してそうとは思えません。
ご飯を食べたあとの何とも満足げな顔や、日向ぼっこをしながらのんびりと幸せを感じているときの顔など、猫は実に様々な表情を私たちに見せてくれるのです。
これは、心を許した人だからこそ見せてくれる表情であるとも、人間側が勝手にそう思い込んでいるだけともいわれていますが、個人的には前者の言葉を信じています。
そんな猫の表情と気持ちは、目のしぐさからも知ることができると考えます。
まず、満足しているときや幸せを感じてくれているときには、やや目を細め、口ひげの力を抜いた穏やかな表情を見せてくれます。
一通り楽しく遊んだ後や食事の後、また箱座りをしてくつろいでいるときに、猫は見るものを癒すような、また何かを悟っているような、そんな優しい目をしているのです。
この顔を見ていると、なぜかこちらも幸せを感じるような不思議な雰囲気が部屋中を包み込みます。もしかするとあなたも、こんな愛猫さんと一緒にいて、小さな悩みがどうでもよくなってしまったり、何だか動くことがめんどくさくなってしまった経験はありませんか?
そんな愛猫さんが眠たいときには、いつもより目元のラインが緩くなり、少し潤んだセクシーな瞳になります。この表情には、こちらもついウトウトとさせられてしまうものです。
また猫には、まぶたの内側にもう一つ『瞬膜(しゅんまく)』とよばれるまぶたがあります。これは目の保護や保湿をする働きを持っていますが、まばたきをする一瞬しか見ることができないために ”瞬膜” と呼ばれているそうです。
この瞬膜は、普段は目頭や目尻の奥から少しだけ顔を覗かせているに過ぎませんが、眠たくなってくるにつれ徐々に目を覆っていきます。愛猫さんが白目をむいて寝ているように見えるときは、この瞬膜に目が覆われているときですね。
また、瞬膜はとてもデリケートな器官です。寝ているときや瞬きをするとき以外に大きく露出しているようであれば、何らかの目の病気を発症している恐れがありますので、すぐに病院に行って診て貰ってあげてください。
猫の目の色はとっても多彩
猫の目の色は、大きく分けて3種類『緑』『黄色』『オレンジ』のいずれかに分類されます。また生まれたての子猫の場合は、まだ目に色素がきちんと付いていないため『青色』です。
そして、成猫さんであっても青い目をした子や、左右の目の色が違う『オッドアイ』と呼ばれる目をした子もいます。しかしこの『成猫でも青い目』をした子は、一部の種を除いて多くの場合、聴覚に障害を持っているといわれています。
これは遺伝子障害が関係しているそうですが、両目とも青い場合は両耳とも、そしてオッドアイの子は、青い目をした側の耳が聞こえないケースがほとんどです。
もし愛猫さんの体が白系の毛色をしていて、さらに青い目をしているのであれば、その子は耳がよく聞こえない可能性があります。
そんなときは、言葉のコミュニケーションだけではなく、振動で物事を伝えたり、優しいスキンシップであなたの気持ちを伝えましょう。
家の中だけで一緒に暮らしている分には、こうした少しだけ気を配ったコミュニケーションで、十分にその子の日常を豊かにすることは可能であると考えます。
ぜひ、その少しユニークな特徴を持って生まれてきた子と一緒に、他の人には作れない特別な思い出をたくさん築き上げて頂ければと思います。
黒目の部分はすごく大きくなる
猫と暮らしている人にとっては当たり前のことではありますが、実は、猫の目の黒目の部分はすごく大きくなります。
これは『瞳孔が開いている状態』で、辺りが暗いときや興奮しているときによく見られます。つまり薄暗い部屋の中にいるときや、獲物を見つけたとき、猫はその状況に適応するために瞳孔を大きく開くのです。
またこのときの表情は、数ある猫の表情の中でも特に可愛らしく、普段は無愛想な表情をしている子でも、急に子猫のような愛想らしい顔つきになります。
一緒に遊んでいるときには、そんな目の瞳孔をチェックすることで、その子がどれくらい乗り気なのかを確認する目安にもなります。
瞳孔が大きく開いていて、なおかつしっぽをブンブンさせているようであれば、その子はかなりノリノリな状態です。ぜひ満足いくまで、一緒に遊んであげてください。
猫の見えている世界
動くものに素早く反応するその動体視力から、猫はとても目がいい動物だと思われがちですが、実はものすごい近眼で近くのものがよく見えません。また視力という点から見れば、人間でいうところの『0.3』程度しかないといわれています。
これは野生の本能から、動いているものに対して素早く反応できる動体視力と、獲物を捉えやすい夜間での活動に適応するため、目が進化していった結果です。
とはいえ、日常的には特に不便はなく、むしろ狩猟動物という観点からすれば、人間よりもはるかに優れた目を持っているといえるでしょう。
また猫の目には、緑色と赤色がはっきり認識できません。そのため猫の見ている世界は、全体的に青色と黄色っぽい色で構成されているといわれています。
我が家では、この猫の目の特徴を元に、猫じゃらしなどのおもちゃを購入するときは、できるだけはっきりとした色彩のものを選ぶようにしています。
その方が、より遊んでときに『獲物を追いかけている感』を味わって貰えるのではないかと考えているためです。あなたの家の愛猫さんのお気に入りのおもちゃは何色ですか?
猫の目はまっすぐ見ちゃダメ
猫の世界では、相手の目をまっすぐ見ることは『ケンカを売っているサイン』になってしまいます。これは、どんな相手に対しても同じなので、もちろんあなたも気をつける必要があります。
子猫のときは、まだこのルールをきちんと理解していないので、大人猫の目をまっすぐ見てしまうこともありますが、そんなときは大人猫の方から視線をずらし、無用な争いを避けようとします。
このような理由から、愛猫さんがいくら可愛いからといって、やたらと目をまっすぐに見つめることは避けましょう。
また万が一目があってしまった場合は、こちらから視線をずらすか、ゆっくりと目を閉じます。これは愛猫さんへの愛情のサインにもなりますので、ぜひ活用してみてください。
こうした猫界のルールへの理解も、一緒に豊かな暮らしを築き上げていくためには大切です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は猫の目から気持ちを理解すること、また猫の目のメカニズムについてお届けしました。
猫は人間の顔のパーツの面積比率と比べると、目が顔の面積を占める割合が高く、また目そのものの露出部分も広いです。そのため、目の病気やトラブルに見舞われる可能性が高いといわれています。
愛猫さんの目から、その気持ちを理解しようとすることはとても素晴らしいことですが、こうした目に対する最低限の注意も払っておく必要がありそうですね。
本記事が、少しでもあなたと愛猫さんの暮らしのお役に立てれば幸いです。