以前、このブログでは『猫の気持ちを考えた 正しいトイレのしつけと作り方』というエントリーをご紹介しました。
こちらは、猫のトイレに対する気持ちを理解して、正しく使いやすいトイレを作ってあげようというテーマで、いくつかの猫トイレに関する重要なポイントをお伝えした記事でした。
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しかし我が家では、こうした猫の気持ちをきちんとくんだトイレを作っても、たびたび『粗相(そそう)』があり、困っていた時期があったのです。
11Catsの中でもヤンチャで自己主張の強いギズとクロニャンは、忘れたころにとんでもないこところでオシッコをしていることがありました。
あなたもご存知の通り、猫のオシッコの匂いはなかなかの破壊力をもっています。こうした粗相も「なんか臭いぞ!」と感じて、はじめて気がつくケースがほとんどです。
しかしこの2匹の粗相は、避妊手術後には全く見られなくなり、さらには性格も少しだけ穏やかになりました。
これで解決かと思った矢先、今度は我が家で一番の先住猫であるコキチの、とても大規模な粗相がはじまったのです。
今回の記事は、そんな我が家の愛猫コキチの粗相と戦った記録と、結果的にほんのちょっとの猫用トイレの改良で粗相がなくなったという事例をご紹介します。
もしあなたの家の愛猫さんが、コキチと同じような粗相をして困っている場合は、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
コキチの粗相
先ほど「とても大規模な粗相」と表現しましたが、これは決して大げさではありませんでした。
台所のシンクの上、私たちのベッド、洗濯物の上、冬用に用意したコキチ用の毛布まで、ある日を境に、突然ありとあらゆる場所で粗相(オシッコ)をするようになったのです。
この原因のひとつに、家族が増えたことがあると思います。
今までは、私たちとコキチだけという生活だったのが、シロキーとコクロコ姉妹を向かい入れ、さらにはこの子たちの子供も生まれたことから、一気に家族が増えたのです。
当然、コキチとの接する時間は減り、子猫たちの世話にも手を取られていたので、コキチとしては相当面白くなかったことでしょう。
それからしばらくすると、冒頭の粗相がはじまったのです。
粗相に対しての最初の対処
私たちはそんなコキチに対して「今までの様に遊んであげられなくて申し訳ない」という負い目を感じていたので、粗相をしても決してコキチを叱ることはなく、1日に何度も洗濯機を回して対処していました。
しかし、今から振り返ってみると、この時点できちんとコキチの粗相の理由を考えるべきでした。
「いつかは自然と治るだろう」と楽観視していたものの、コキチの粗相はますますエスカレートし、ついには私たちに見せつける様にオシッコをするようになってしまったのです。
これはさすがにマズイと、本格的な対策に乗り出したのでした。
最初の粗相対策
まず最初に考えた対策は、市販で猫のしつけ用グッズとして売られている『しつけスプレー』でした。
これは、猫のキライな柑橘系の匂いを吹き付けるスプレーで、粗相をした場所にまくことでその場所に近寄らなくなり、そのうちに粗相がなくなるというもの。
しかし結果からいうと、このスプレーにはほとんど意味がありませんでした。
確かにスプレーをした場所には近づかなくなるのですが、結局、他の場所を見つけて粗相をします。
またその場所にスプレーをすれば、さらに他の場所で・・・というイタチごっこ。
結局、このスプレーは2〜3缶を使い切ったところで不採用となりました。
次に考えた対策は『臭い消し』です。
猫のオシッコにはマーキングの意味もあるので、その匂いの元を消してしまえば、粗相もなくなるのではと考えたのです。
これには、やはり市販品の『猫用臭い消しスプレー』に加え、殺菌消毒もできる『スチームモップ』も導入しました。
粗相をした場所を丁寧に水洗い(毛布などの場合は洗濯)して、そこへ猫用消臭スプレーを大量噴射。さらにスチームモップで殺菌消毒も兼ねて匂いを飛ばします。
が、これも結局、効果がありませんでした。
むしろ、自分の匂いが消えてしまったことに焦りを感じたのか、さらに広範囲で粗相をするようになったのです。
「コキチの粗相は、もう治らないんじゃないか・・」
そう思い始めた矢先でした。
効果的な粗相対策
コキチの粗相は、シロキーやコクロコたちといった家族が増えてから始まっているので、おそらく自分の存在をアピールするためのマーキング、または自分が一番じゃなくなったことへ対しての、私たちへの当てつけであると考えていました。
そのため、コキチの『トイレ』に関しては、なんの対策も施していなかったのです。
というのも、我が家の11Catsは、コキチ以外はみんな血の繋がった姉妹・親子関係にあるため、一応、他猫としてのプライバシーを尊重して『コキチ専用のトイレ』が用意してあります。
このトイレがは、私たちとコキチしか入れない部屋に設置してあるので、完全にコキチ専用です。
そして、コキチとの粗相バトルを続ける中、ある日ふと
「もしかして、ただ単にトイレが気に入らないだけかも?」
という可能性を思いついたのです。
また、コキチの粗相にはある共通点がありました。
それは、床よりも少しだけ高い場所に置いてある物によくオシッコをする、という特徴です。シンクもベッドも、基本的には床より高い位置にあります。
また、猫トイレに関していろいろ調べてみると、コキチ専用トイレの様なドーム型のものは、匂いの拡散を防ぐためだけに屋根が付いているということを知りました。
そこで、まずはコキチ専用トイレの屋根を外し、さらにトイレそのものをダンボールの上に乗せて、設置位置を少しだけ高くしてみたのです。
さらには、トイレの最中にも周りの状況が見渡せる様、近くに置いてあるものを片付け、視界を広げました。
するとどうでしょう。
設置した当初こそ、まだ粗相はありましたが、その数はだんだんと減り、いつのまにかこのトイレ以外ではオシッコをしなくなったのです。
家族が増えたことや自分が一番じゃないことへ対する抗議の意味の可能性もゼロではありませんが、たったこれだけのことでコキチの粗相はなくなりました。
専用トイレが気に入ったのか、それとも自分の要望が通ったと感じてくれたのかはわかりませんが、結果として、こうして我が家の粗相問題は解決したのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
突然、10匹も家族が増えるというシチュエーションを除けば、あなたの愛猫さんにも共通する点があるのではないかと思います。
また、これはトイレを改良した後に知ったのですが、猫は爪とぎやオシッコといったマーキング行為を行う際、自己主張の強い子は、少しでも高い場所に自分の匂いをつけようとするそうです。
コキチのトイレは、たった20cm程度高さを増しただけですが、それでも猫にとっては大きいのかもしれません。
本記事をご覧いただき、あなたの愛猫さんの粗相を治すためのヒントが、ひとつでも見つかれば幸いです。