あなたとあなたの愛猫さんのコミュニケーションに欠かせない方法の一つに『遊び』があります。一緒に遊ぶことにより、愛猫さんは様々なことを学び、あなたとの信頼関係をも築いていくのです。
そんな遊びにバリエーションを増やしてくれるものが『猫用のおもちゃ』です。しかし、ここで一つ気を付けなければならないことは、決して『人間の手をおもちゃ代わりにしてはいけない』ということです。
子猫の頃は何にでも興味を持ち、さらには爪や歯にもそれほどの鋭さがないため、可愛さのあまり自分の手をおもちゃに見立てて遊んでしまいがちです。
しかしこれは、成猫になってからの『噛みグセ』に繋がってしまいます。また『人間の手』が一番のおもちゃになってしまうことで、他のおもちゃで遊んでくれなくなってしまうという事態をも招いてしまうのです。
また、成猫の爪や歯はとても鋭く、興奮した愛猫さんに怪我をさせられてしまうこともしばしば。こんな事態を避けるためにも、必ず普段から『猫用のおもちゃ』を使って遊ぶ習慣を付けましょう。
世の中には様々な猫用のおもちゃが売られています。そしてそんな猫のおもちゃにも『ウケるもの』と『全くウケない』ものがあります。
もちろん、その子その子の好みもありますが、中には「これを作った人は本当に猫の気持ちを考えているのかな?」といった残念なおもちゃがあるのも事実です。
我が家には11匹の個性豊かな猫たちが、日々いろいろなおもちゃで遊んでいます。そして、みんな性格も好みもバラバラなのはもちろんのこと、それぞれのお気に入りのおもちゃがあります。
しかし、みんなと遊びながらもよくよく注意深く観察してみると、そんなお気に入りのおもちゃたちには “ある共通点” があることに気が付きました。
そこで今回は、そんな11匹の猫たちのお気に入りのおもちゃから見つけた『猫が好きなおもちゃに欠かせない4つの要素』をご紹介したいと思います。
あなたの愛猫さんのお気に入りのおもちゃを探す際には、本記事をご参考頂けると幸いです。
もくじ
猫の耳に心地よく響く『カサカサ音がするおもちゃ』
猫の耳は、高音域に強いという特徴をもっています。これは、小動物や虫が動くときに発する小さな音を聞き逃さないようにするためであるといわれています。
そして世の中の猫たちは、そんな小動物や虫が発しそうな小さな『カサカサ』という音にとても敏感です。紙袋やスーパーの袋が好きな子が多いのも、これが理由であるのかもしれません。
もちろんこの特性は、おもちゃにも必要不可欠です。できるだけカサカサと音が出せるもの。また、その本体そのものがビニールや紙で出来ていて、細かな音を発しやすいものは、お気に入りのおもちゃになってくれる可能性が高いです。
また、カサカサの種類にも好みがあるようです。小刻みなカサカサに反応する子もいれば、カサっと一瞬だけする音に興奮する子、またカサカサカサカサと連続した音が好きな子とそのパターンも様々です。
まずは、あなたの愛猫さんの好みを知ることが、遊びの質を上げて密なコミュニケーションを図るためにはとても大切なことです。
ぜひ、日々の遊びの中で、愛猫さんが好きな『カサカサのパターン』を見つけてあげてください。
猫の本能を刺激する『早く動かせるもの』
猫は本来狩猟動物で、獲物を捕らえることが仕事です。家猫さんにとっての遊びには、こうした『狩りの練習』や『仮想の狩り』といった意味合いも含まれています。
そこで同居人としては、できるだけこの『狩り』をリアルに演出してあげる必要があるのです。
また、猫には『逃げる獲物を追いかけたくなる習性』があります。これを再現するためには、普段遊ぶおもちゃにも『早く動かせる要素』が必要になってくる、というわけです。
しかし、ここにも一つ注意点があります。
早く動かせるおもちゃは、獲物が逃げるシチュエーションを演出をするため、ということは、最終的にはそのおもちゃは狩られてしまう、ということになります。
そんな狩られてしまうおもちゃを、毎回手で動かして遊んでいると、一緒にあなたの手も狩られてケガをしてしまうことも考えられるのです。そこで『棒の先に付いているもの』また『紐やゴムの先に付いているもの』を獲物に見立てたおもちゃを選ぶことが重要です。
我が家では、雑誌やダンボールを束ねるときに使う『ビニール紐』を思い通りに動かしやすいように編んだのち、棒につないで、さらには紐の先にネズミのおもちゃや羽を括り付けたものが大人気です。
また、このとき利用する棒は、遊んでいるうちに愛猫さんに接触することが多々ありますので、できるだけ細身で柔らかい素材のものを選んであげてください。
このおもちゃは、家にあるもので気軽に作ることもできるので、経済的にも優しく、また猫たちからの人気も高いので、ぜひ一度、作ってみてください。
猫の目から見て『色合いがハッキリしているおもちゃ』
猫の目は、虹が七色に見える人間とは違い、赤色や緑色を識別することができないといわれています。また視力も悪く、かなりの近眼です。
これは、暗いところでも目が効くように進化した結果なのですが、おもちゃを選ぶ際にも、こうした猫の目に合わせたものを選ぶ必要があります。
つまり、パステルカラーや色の薄いおもちゃは、人間の見た目には優しい色使いをしているように見えますが、猫の目からしてみれば、ぼやけて見えている可能性があるのです。
そこで、おもちゃを選ぶ際には『色合いがハッキリしたもの』をというわけですね。実際に我が家でも、水色やアイボリーといった優しい色合いのものよりも、ショッキングピンクや濃い緑といったハッキリとした色合いのおもちゃが人気です。
これは、よりハッキリと見える物の方が、追いかけている感を強く味わえているからではないと考えています。
逆に、パステルカラーなどの優しい色合いものは、ゆっくりと休める場所や、寝床用の毛布を購入する際に選ぶようにしています。
自然界にある素材に近いもの
遊びという狩りの場を、できるだけリアルに演出するためには、その素材にもこだわる必要があります。とはいえ、さすがに本物を用意することはできないので『できるだけ自然界にある素材に近いもの』を選ぶようにましょう。
たとえば、市販品には鳥の羽を使ったおもちゃがありますが、経験上、これはかなりの確率で猫からのウケが良いです。ただし、すぐにボロボロになってしまって使えなくなってしまうので、消耗品として考えましょう。
また、自然に近い素材の代表格としては、モコモコした素材のものがあります。猫じゃらしや毛玉ボールは、ほぼ鉄板商品であると思って良いでしょう。
注意点としては、こうしたモコモコした素材を使ったおもちゃの中には『毛が抜けやすい物がある』ということです。これは、愛猫さんが噛み付いて遊んでいるうちに、抜けた毛を飲み込んでしまう恐れもあるので、必ず購入前にチェックしましょう。
とはいえ、売り物をむしってしまうことは完全なルール違反なので、軽く手で触ってみる、店員さんに直接聞いてみるといった程度に留めておいてください。
また、こうしたモコモコ素材のおもちゃを選ぶ際には、飲み込まない程度に小さな物の方が、ウケが良い傾向にあります。それほど高価なものではないことがほとんどなので、いろいろと購入してみて愛猫さんの好みの一品を探してしてみましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、猫が好きなおもちゃに必要不可欠な4つの要素をお届けしました。『カサカサ音がするもの』『早く動かせるもの』『色合いがハッキリしているもの』そして『自然界にある素材に近いもの』
少なくとも、この4つの要素が含まれているものであれば、かなりの高確率で愛猫さんは楽しんで遊んでくれると思います。また、その動かし方や遊び方も、あなたなりのやり方で工夫することで、さらに遊びの幅を広げることが可能です。
もちろん何より大切なことは、愛猫さんとの心の疎通です。愛猫さんが遊びたいと思っているタイミングで、楽しく遊べるような形を提案することが、同郷人としての重要な役目でもあるとも考えています。
本記事が、あなたと愛猫さんのコミュニケーション手段の参考になれば幸いです。