猫の熱中症も、人間と同様深刻な事態を招く場合があります。
また猫は、痛みや体調の不良を隠そうとする性質をもっているため、熱中症や脱水症状を早い段階で見抜きにくいという危険性もはらんでいます。
そこで今回は、そんな愛猫さんの熱中症をできるだけ早く見つけてあげるため、また熱中症になってしまった場合にどう対処したら良いのかを、症状のレベルに合わせた対処法という形で一覧表にまとめてみました。
本記事が、あなたと愛猫さんの暮らしのお役に立てれば幸いです。
もくじ
猫の熱中症『症状レベルと対処法』一覧表
猫の熱中症『危険度レベル1』症状と対処法
愛猫さんがいつもより元気がなく、休んでいるというよりは『ぐったり』している。
そういえば、ここ最近食欲が落ちてきていた気がするという場合は、夏バテになっている可能性があります。
猫の夏バテは人間と違ってやや深刻で、その後、熱中症へとつながる恐れもある危険な状態です。
愛猫さんにこういった症状が見られる場合は、あなたの家が暑すぎる、またはあなたの家には、暑さから逃げられる場所がどこにもないのかもしれません。
日中、ひとりでお留守番をさせることがある場合や、一日の中で一緒に居られる時間が少ないという場合は、できるだけ家の中の風通しを良くしてあげる(換気扇をつけっぱなしにするのも効果的です)、お風呂場や台所など、家の中でも比較的涼しい場所へのドアを開けておく、またはクーラーや扇風機をつけっぱなしにした部屋を用意してあげましょう。
このとき、水飲み場をたくさん用意してあげることも忘れてはいけません。熱中症にならないための一番重要な対策は『水分補給をこまめに行うこと』です。
気温の高い夏の間は、他の季節よりも多くの水分が必要になるので、普段よりもたくさんの水飲み場を設置してあげる必要があります。
また、あまりにもご飯を食べない、ぐったりしている姿を良く見かけるという場合は、熱中症の一歩手前まで症状が深刻化している可能性もあるので、一度、動物病院で診て貰うことをお勧めします。
猫の熱中症『危険度レベル2』症状と対処法
口があいたままになっている、いつもより呼吸が荒い、動いている姿より横になっている姿をよく見かける。
もしあなたの愛猫さんにこうした症状が見られるようであれば、熱中症の初期症状である可能性があります。
この時点で、すでに深刻な状況になっている可能性もありますので、すぐに涼しい部屋へ連れて行って水を飲ませ、濡れたタオルや霧吹きを使って体を濡らし、うちわや扇風機を当てて体を冷やしてあげましょう。
このとき、氷を使って体を冷やすと、急激な冷却効果で血管が収縮してしまう恐れがあるので使わないように注意してください。
また、応急処置をして愛猫さんの状態が良くなったからといって安心せず、その後は動物病院へ行って診察を受けたのち、獣医師さんからのアドバイスを受けることを強くお勧めします。
猫の熱中症『危険度レベル3』症状と対処法
体が熱く、自力では歩けなくなっている。目が充血したり口の中が真っ赤になっている。よだれを垂らしている。嘔吐や下痢といった症状が見られた。
この場合は完全な熱中症の症状で、またその状況も深刻です。
可能であれば急いで水を飲ませて、濡れタオルや霧吹きで体を濡らし(氷は使わない)うちわなどで仰ぎながら、すぐに動物病院へ向かってください。
熱中症は、体温が上がりすぎたために体の機能が正常に作用しなくなるという状態を指します。
落ち着いて体を冷やしてあげつつ、一刻も早く動物病院で適切な処置を受けましょう。
猫の熱中症『危険度レベル4』症状と対処法
痙攣(けいれん)や意識の混濁(こんだく)、眼球がピクピクしている。
また、すでに意識がなく呼びかけても反応がない、吐血や血尿といった出血症状が見られる場合は、熱中症の中でも相当に深刻な状況です。
すぐにその場にあるタオルを水で濡らし、あおげるものを持ったら、一刻も早く動物病院へ向かってください。
危険度レベル3以上の状態を引き起こした場合は、その後一命を取り留めたとしても、ふらつきや意識障害などの後遺症が残ってしまう場合があります。
しかし、熱中症の症状が現れてから数十分〜1時間以内に適切な処置を受けられた場合は、こうした後遺症を残さず、元の元気な愛猫さんに戻してあげることができます。
とにかく落ち着いて状況を把握し、冷静かつ迅速な判断と行動で愛猫さんの命を救ってあげてください。
猫の熱中症 対処法の注意点
熱中症の症状が見られた場合は、何よりもまず『体温を下げてあげること』が重要です。
しかし、あまりにも急激に体温を下げてしまうと逆にショック状態を引き起こし、さらに危険な状態を招いてしまうことへもつながります。
体温を下げるために氷を使わないことはもちろんですが、体を冷やすためにと、お風呂や洗面器の水へそのままドボンと沈める行為は避けましょう。
また体に水をかける、霧吹きで体を濡らす場合にも少しずつ愛猫さんの状態を確認しながら行い、体を冷やしすぎないように注意してください。
猫の熱中症 症状と対処法 まとめ
猫の熱中症も人間と同じく『子猫』や『老猫』の方がかかりやすく、症状も深刻化しやすいです。
また太っている子は、皮下脂肪が断熱材の役割を果たしてしまい、熱が体にこもりやすいので特に注意しましょう。
しかし、そんな恐ろしい熱中症も、ちょっとした愛猫さんへの気遣いや日常的な対策で防ぐことが可能です。下記の記事では、夏の猫の暑さ対策をまとめてありますので、具体的な熱中症対策についてはこちらをご参考ください。
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本記事が、あなたの愛猫さんの健康のためにお役に立てれば幸いです。