我が家の11Catsは、ベランダと庭に『日向ぼっこスペース』が用意してあるものの、全員が完全な室内暮らしです。
これが猫との暮らしの正しい形なのか、それとも外に自由に出してあげることが愛猫のためであるのか
この正しい答えは、正直、今でもわかりません。
しかしまずは『命の安全』を第一に考えた結果、完全室内暮らしが、今の私たちにできる最良の形であるとの答えに落ち着いています。
過去に我が家では一度、コキチが行方知れずになったことがありました。
コキチは11Catsの中で一番最初に我が家の家族となった猫なのですが、1匹だけのころはリードをつけて外を散歩していました。
そんな散歩中、ちょっとした不注意でリードが外れ、コキチはそのままどこへ行ってしまったのです。
その後、数時間にわたる捜索を続ける中「もしかすると・・」と開けておいた玄関から、コキチは自ら帰って来てくれたのですが、このときはかなりのパニック状態になり、しばらく生きた心地がしませんでした。
この事件以来、私たち夫婦は『猫との一緒の暮らし方』について、いろいろと深く考えるようになりました。
「人間と暮らす猫にとっての幸せってなんだろう?」
「人間と猫にとっての一番正しい暮らしって、どんなものなんだろう?」
そして様々な可能性を考慮した結果『完全室内暮らし』という今の形に落ち着いたというわけです。
もちろん、世の中には『外にも自由に出入りできる環境』で、愛猫さんと一緒に暮らしてみえる方も大勢います。
かくゆう私たちも、過去には「猫が自由に暮らせる形」が猫と一緒に暮らす上で、最良の形であると考えていたこともありました。
そんな、外にも自由に出入りできる環境で愛猫さんと一緒に暮らしている方と、私たちのような完全室内暮らしを選んだ者の共通した課題の1つに『猫の家出』があります。
もちろんこの『家出』という表現が正しくない場合もあります。
それでも一緒に暮らしていた大切な家族が突然帰ってこなくなる、この絶望的でどうしようもない不安な気持ちは、猫と一緒に暮らしている人であれば、みな同じはずです。
そこで今回の記事では、そんな『家出をする猫の気持ち』を掘り下げつつ、その対策もまとめてみました。
もしあなたが、外にも自由に出入りできる環境で愛猫さんと一緒に暮らしている、または室内飼いの愛猫さんが家出をしてしまったのであれば、この記事が何らかのお役に立てるのではないかと思っています。
もしものときには、ぜひともご参考頂ければ幸いです。
もくじ
猫が家出をする理由 その1:本能には逆らえない『パートナーを探しに』
画像:http://jp.forwallpaper.com/
愛猫が家出をする理由の中で、一番可能性が高いといわれているものが『発情によってパートナーを探しに出かけた』です。
メス猫であれば、家中に体をこすりつけていた、普段とは違うところにおしっこをしていた、大きな声で叫んでいた。
オス猫であれば、普段より気が立っていた、お尻を持ち上げてスプレーのようにおしっこをしていた。
このような兆候が見られたのであれば、あなたの愛猫さんは『発情期』に入っていた可能性が高いです。
このような状態を最近よく見かけていて、家に帰ってこなくなってしまったという場合は、愛猫さんは『パートナー探しの旅に出ている』のかもしれません。
この場合、メス猫であればおおよそ自宅から200m圏内、オス猫であればもう少し広い範囲の『メス猫がいるところ』へ出かけている可能性があります。
もし、発情している様子が見られた愛猫さんが帰ってこない場合は、上記の2点を手掛かりに、近所をくまなく探してみてください。
またメス猫さんであれば、発見したときにすでに妊娠している可能性もあります。
その子に子猫が産まれても、あなたの家庭環境や経済的に面倒を見ることが難しい場合は、すぐに病院で検査を受け、専門医のアドバイスを受けることを強くお勧めします。
そして、もし愛猫さんに新しい命が宿っていた場合には、その後の対処をどうするのかを家族内できちんと話し合い、人間としての責任と愛情をもって、今後の方針を固めて頂ければと思います。
猫は、生まれてから数ヶ月という短期間で、繁殖を行う準備が整います。
つまり、たとえ1歳未満の子であっても、父猫や母猫になる可能性があるということです。
また野良猫と比べ、安全や食事が確保されている人間と共に暮らす猫の場合、このタイミングや発情のスパンは早くなる傾向にあります。
一般的には生まれてから半年もあれば、多くの猫は繁殖の準備が整い、暖かく子育てに適した季節である春や夏に向けて発情期を迎えます。
こうした繁殖行動は、動物の本能から来ているものなので、人間がいくら知恵を絞っても抑えることはできません。
そこで唯一の対策が『避妊・去勢手術』となるわけです。
確かに避妊手術は、人間側の都合を一方的に猫に押し付けているようで、抵抗を感じる方も多いと思います。
しかし猫と暮らすという選択をし、その猫が外へ出て他の猫と接触する可能性があるのであれば、避妊・去勢手術は飼い主が決断すべき「罪」であると考えています。
これは、猫と暮らす道を選んだ私たちが必ず背負わなければならない『罪』です。
それでもこの『避妊・去勢手術』によって、愛猫さんが「パートナー探しの旅に出る」という行動を抑えることはできます。
またこの決断は、永遠に正しい答えがない大きな課題であるとも思っています。
『命を預かる』ということは、こうした「間違った選択をしているのかもしれない」という矛盾や葛藤を抱えながら、自分の下した決断の責任を取ることであると、私たち夫婦は考えます。
猫が家出をする理由 その2:遠くまで来てしまって『迷子になった』
発情していなくても、猫は好奇心や気晴らし、または『新しい味のご飯』を求めてなど、様々な理由でも外へ出かけようとします。
そんなとき『虫を追いかけているうちに、知らないところまで来てしまった』また『見知らぬ猫に追い回されて、気がつけばものすごく遠くに来てしまった』というケースもあるようです。
これは、思いもかけず普段の自分の行動範囲外に出てしまったため、帰り道がわからなくなってしまったというパターンです。
このケースは、特に縄張り意識や独立心の強い『オス猫に多い』ともいわれています。
発情している様子は見られなかった、またすでに避妊・去勢手術をしている子が帰ってこないという場合は、家出ではなく、迷子になってしまっている可能性を疑ってみましょう。
この場合は、愛猫さんは予想以上に遠くまで行ってしまっている可能性もあるので、あなただけの力で探し出すことはやや困難です。
そんなとき、まずは保護されている可能性を考え、所轄の保健所に問い合わせをしてみましょう。
それがダメなら、張り紙を作って近所の方の協力を仰ぐ、近くに住む友人や知人の協力を仰ぐ、ツイッターやフェイスブックなどのSNSを使って協力を仰ぐなど、捜索の人員を増やすことが一番効果的です。
気が焦る気持ちもわかりますが、まずは落ち着いてひとつひとつ行動を起こしていきましょう。
あなたの愛猫さんは、意外と近場で迷子になっているだけなのかもしれません。
猫が家出をする理由 その3:隠れてじっとしていたい『体調が悪い』
猫は自分の体調が悪くなると、人目につかない隠れられるところでじっとして、動かなくなるという習性を持っています。
こうした場所が自宅内にきちんと確保されていれば問題はありませんが、そうではない場合は、近所のどこか身を隠せる場所でじっとしている可能性があります。
文字通り『隠れている』わけですから、こちらのケースも愛猫さんを見つけることはなかなか困難です。
それでも、ものすごく遠くまで行ってしまっている可能性は低いので、近所での聞き込みや自宅から200m以内をくまなく探す方法が効果的です。
この場合2~3日後にひょっこり帰ってきたり、食事の時間だけは帰ってきたりすることも多いのですが、このパターンの家出は、日頃の心がけだけで事前に防ぐことができます。
常に愛猫さんの様子に変わったところはないかを注意深く観察し、場合によってはすぐに病院に連れて行ってあげることで、愛猫さんの異常を素早く察知する習慣をつけましょう。
これだけでも、無用な家出を避けることができるばかりか、愛猫さんの健康管理も行えます。
もちろん家の中に、愛猫さん専用の『隠れられるスペース』を複数箇所用意してあげることも忘れてはいけません。
また猫は性格上、たとえ体調が悪くてもそのことを隠そうとしますので、人間の方で注意深く気にしてあげる必要があります。
そしてあまり考えたくないことではありますが『猫は死ぬところを人に見せない』という言い伝えは、実はこの猫特有の習性から来ています。
つまり体調が悪く、隠れられる場所でじっとしていた結果、そのまま亡くなってしまうというケースです。
このような最悪の事態を迎えないためにも、常に愛猫さんの健康には人一倍気を使ってあげて欲しいと、切に願っています。
猫が家出をする理由 その4:トイレや寝床はキレイですか?『家が気に入らない』
昔から猫は「家につく」といわれるほど、自分の住んでいる環境に強いこだわりを持っています。
これは、同居人としては少し寂しいことではありますが、猫にとっては一緒に住む人よりも、自分の身の回りの環境の方が重要なのです。
お気に入りの寝床や食事場所、トイレの場所に至るまで、猫は全ての環境に対して自分なりの強いこだわりを持っています。
そしてこのこだわりがなんらかの理由で否定され、本当に我慢ができなくなったとき、愛猫は新しい環境を求めて家出をすることがあるようです。
例えば『あなたの家に子供が生まれた』『新しい猫が増えた』そして『大きく部屋の模様替えをした』ときなどですね。
今までは全てが自分のテリトリーで、同居人も自分の一部となっていたのに、その状況が突然大きく変わってしまった。
これはあなたが思う以上に、愛猫さんにとってはショックなことなのです。
このパターンの家出はかなり深刻な事態ではありますが、それでも遠くまで行ってしまっている可能性は低いため、自宅から200m県内をくまなく探すことが最も効果的です。
新しい環境を求めてといっても、いきなり全く知らない遠くの土地へ行ってしまうわけではありませんので、まずは所轄の保健所へ問い合わせ、その後に自宅近辺の捜索と近所の方への声をかけからはじめてみましょう。
そして何より、帰って来た愛猫さんが安心して暮らせる環境を、今一度見直してあげることも忘れてはいけません。
猫が家出をする4つの理由と探し方 まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は『猫が家出をする理由』を、大きく分けて4つご紹介しました。
『パートナー探し』『迷子』『体調不良』そして『家が気に入らない』
いずれの理由にせよ、体の小さな猫にとって外の世界はとても危険な場所であることに変わりはありません。
そして猫にとっての危険な場所だけにあらず、伝染病やウイルスといったリスク、また残念ながら世の中には「猫がどうしようもなく嫌い」という方もいます。
そんな厳しい環境に対し、愛猫家として唯一できる現実的な対策は「愛猫にとっての幸せとは何なのか?」を真剣に考えてあげることなのではないかと思っています。
愛猫の幸せを深く考えることで、家出を未然に防げるばかりか、猫と人間の暮らしそのものの『質』も上げられるのではないでしょうか?
本記事では、家出をしてしまった愛猫さんを探す方法として『所轄の保健所へ問い合わせる』『張り紙を作って近所の人や友人知人の協力を仰ぐ』『SNSを使って協力を仰ぐ』『自宅から200m圏内を重点的に探す(オス猫さんの場合はもう少し広い範囲で)』という方法をご紹介してきました。
ちなみにここ最近では『行方不明になったペットを探す専門の探偵』もいるそうで、結構な実績を上げているといいます。
費用はそれなりにかかるようですが、どうしてもという場合には、こういった専門の探偵に依頼してみるのも一つの手かもしれません。
もし今、あなたの愛猫さんが何日も帰ってきていないのであれば、今回の記事はあなたのお役に立てるのではないかと思っています。
そして愛猫さんの無事の帰宅と、その後の幸せな暮らしが取り戻せることを心より願っています。