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猫は「寝る子」寝てばかりのヒミツと4つの気持ち

名前の語源が「寝子」からきているといわれるほど、猫は本当によく眠る動物です。1日の2/3、つまり16時間近くもの時間を寝て過ごす猫たちは、なぜこんなにも眠り、また何を思っているのでしょうか?

今回は、そんな「寝る猫の気持ち」を探り、睡眠の理由やメカニズムを掘り下げていきたいと思います。

もくじ

猫は寝ることでエネルギーを蓄えている

元々肉食で、自ら狩猟を行って生きてきた猫は『狩りをすることが仕事』です。つまり、生きるために一番重要なことが『狩り』であったというわけですね。

ライオンなどの野生の肉食動物の狩りは残酷で、人間の目からは捕食される草食動物がとても可哀想に映ることもあります。しかし捕食をする肉食動物も、厳しい自然の中で生き残るために必死なのです。

そして、この狩りという行動にはとても多くのエネルギーを使います。長い時間をかけて広い荒野で獲物を探し、できるだけ身動きを抑えて物陰に潜み、いざとなれば全力で走って獲物を捕らえ、そして力の限りで抵抗する相手の命を絶つ。

爪と牙、そして脚力という、生まれ持った自分の武器のみが頼りである以上、この一連の狩りを確実に行うためには、常に多くのエネルギーを蓄えておく必要があります。

そのために野生で生きる肉食動物は、1日の多くの時間を睡眠に費やし、狩りのためのエネルギーを蓄えてきたのです。一方草食動物は、そんな肉食動物に捕獲される危険を少しでも減らすため、睡眠時間は短めであるといわれています。

猫も体は小さいながら、そんな肉食動物の一種です。この肉食動物の本能から、1日の多くの時間を睡眠に費やし、いざという時のために普段は省エネモードで過ごしているというわけですね。

人間と一緒に暮らし、ご飯も貰える安全な環境で暮らしている家猫さんであっても、この本能からくる習性は生きています。

猫にとって寝ることは、決して逆らうことのできない本能からの命令であると同時に、こうしたとても重要な意味を持っているのです。

あまり熟睡しない

前述したとおり、猫やその他の肉食動物は『狩り』のために多くの時間を睡眠に費やします。しかし、寝ている最中に獲物を捕らえる最大のチャンスが訪れるかもしれません。

そんな貴重なチャンスも逃さないよう、たとえ寝ている最中であったとしても、最低限の注意は払っておく必要があります。このような理由から、猫は睡眠の中の3/4の時間は、うたた寝に近い浅い眠りであることがわかっています。

また熟睡しているのか、浅く寝ているだけなのかは、多くの場合『耳の動き』で判断することができます。愛猫さんが寝ているとき、小さな物音にも耳がピクピクっと反応しているようであれば、これは浅い眠りです。

しかし「眠りが浅そうだから」といってむやみに起こしてはいけません。人間でも猫でも、寝ているところを邪魔されることは、とても不愉快なことですからね。

猫も夢を見る

猫の睡眠は、そのほとんどが浅いものですが、もちろんじっくりと熟睡することもあります。そんなとき、猫は人間と同じように夢を見ているといわれています。

また面白い話では、フランスの大学の研究で熟睡した猫の脳波を調べたところ、猫が見ている夢は危機的状況からの脱出や狩りの最中など、かなりエキサイティングなものであることがわかったそうです。

これはおそらく、夢の中でも狩りのシミュレーションを行うことで、現実での危機管理能力を養っているのではないかといわれています。

もし愛猫さんが寝ている最中に、手をピクピクさせていたり、満足そうな顔でモゴモゴ寝言を言っているいるときは、夢の中で獲物を捕まえたときなのかもしれません。

寝る場所にはこだわりを持っている

そんな1日をほとんど寝て過ごす猫は、寝る場所にもこだわりを持っているようです。

まずは『安全な場所』。これは人間でも猫でも同じですね。寝ている最中に何か物が落ちてくる可能性があるような場所では、なるべく寝たくはないものです。

そして次に『暖かい場所』。日の当たるベランダや柔らかい芝生の上で寝ることは、考えただけでも気持ちが良さそうです。また猫の場合、日光に当たることは皮膚下でビタミンDを合成するためではないかともいわれています。

この合成したビタミンDを被毛へと分泌し、毛づくろいによって体内に取り込むことで必要な栄養素を補っているのだそうです。まさに猫の体の神秘ですね。

そして最後に『狭くて高いところ』。これは狩りのための本能からきています。狭い場所は自分の身を隠しておくために都合がよく、また高いところは見晴らしが良いので、獲物を見つけるのに役立ちます。

こうした条件が重なる場所は、愛猫さんにとって『お気に入りの寝床』となります。また、こうした場所は1箇所だけでなく、いくつも見つけておくのが猫さん流のこだわりでもあるようです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は『寝子』の睡眠についてお届けしました。狩りのために体力を温存している。あまり熟睡はしないが、ときどき夢も見る。寝る場所にはこだわる。

本能からの理由がほとんどであるとはいえ、やはり眠っているときの愛猫はとても可愛らしく、同居人として愛おしさを強く感じる瞬間でもあります。

そんな猫の睡眠ですが、子猫や高齢の猫さんになると、この睡眠時間はさらに長くなります。また高齢の猫さんは、猫生の経験が豊富な分、環境への理解度や対応力が高くなっているので、熟睡することも多くなるといわれています。

そして、もちろん体調が悪いときにも睡眠時間が長くなります。また逆に、ほとんど寝ている姿を見ないという場合も、体や心に何らかの異常があることが考えられます。

もしそんな愛猫さんを見かけたら、すぐに病院へ行って診てもらってあげてください。

今回の記事が、あなたとあなたの愛猫さんの暮らしをより豊かなものへできることを願っています。