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猫の不思議な行動に隠された3つの理由と気持ちの裏側

猫に限らず、世の中の多くの動物たちは、時折人間には理解できない不思議な行動をとることがあります。これは習性や本能からくるものなど、その理由は様々ですが、中にはその動物特有の不思議な行動があるのです。

そこで今回は、猫(猫科)だけに見られる不思議な行動の理由と、その裏に隠された猫の気持ちを、代表的なもので3つピックアップしてご紹介したいと思います。

もくじ

なんで自分の体を舐めるの?『毛づくろい』

猫は自分の体や子供の体、また多猫さんの体を舐めて毛づくろいをします。これは一般的に、体をきれいにするために掃除をしていると思われていますが、実はこの毛づくろいには、他にも様々な意味があるのです。

猫は、1日の中の1/3もの時間を毛づくろいに当てているといわれています。これはやはり、きれい好きな動物代表の猫としては、ホコリや食べカス、ノミ、ダニなど、体に付いた汚れを落とすという意味合いが一番大きいようです。しかし他にも、敵や獲物に存在を気付かれ難くするために自分の臭いを消している、また、緊張やストレスを軽減するためにも、毛づくろいをするといわれています。

そしてもう一つ、とても興味深い説では、紀元前4000年頃にまで遡ります。

この頃の猫の祖先は、遠くエジプトの砂漠が広がる地域で暮らしていました。日中の気温が40度以上にもなる乾燥した砂漠では、体温調整が必須です。そこで猫の祖先は、この環境に適応するために、毛づくろいをすることで唾液を蒸発させて、体温を下げていたといわれています。こうして素早く体温を下げることで、余分な水分摂取量を減らし、厳しい砂漠での生き残り戦争を勝ち抜いてきたのです。

このように、猫の毛づくろいには様々な意味が隠されています。また同時に、このグルーミングと呼ばれる行為は、現代の猫の日常サイクルの中でも、重要な役割を果たしているであろう事が、何となくでもおわかり頂けたかと思います。

また、ある日突然、愛猫さんがボサボサになっていて、毛づくろいを全くしていない様子であれば、どこか体に異変がある可能性もあります。そんな時はすぐに病院に行って、お医者さんに診て貰いましょう。

雨の日は外に出たくないほど『水が嫌い』

雨や雪の中を元気に走り回る犬とは対照的に、猫は水を極端に嫌います。これは水を嫌うというよりも「体が濡れるのを嫌がっている」のです。

この理由も、猫の祖先に関係がありました。前述の通り、猫の祖先は砂漠生まれです。砂漠は基本的に雨がほとんど降らないので、水はとても貴重な存在です。そこで猫の祖先は「地面を使って体を洗う」という術を身につけました。

ひんやりした床や玄関で、体を地面にこすりつけてゴロゴロしている姿を、あなたも見かけたことがあるのではないでしょうか?あれは、猫の祖先から受け継がれた習性なのです。

また、猫の被毛は撥水性がとても悪く、一度水に濡れるとなかなか乾きません。日中が40度を超える一方、夜間の気温はマイナスにもなる砂漠では、濡れた体は死に直結します。

こうした理由から猫は体を濡らすこと、つまり水が嫌いなのですね。

もし仮に、愛猫さんの体が汚れていると感じても、あまり頻繁にお風呂に入れることは避けてあげてください。猫本人の毛づくろいに任せるのが理想ではありますが、どうしてもという場合には、お湯でほどよく温めたタオルで、優しく拭いてあげるに止めましょう。

猫の不思議な行動『ウンチやおしっこに砂をかける』

これも犬には見られない、猫特有の行動です。一見すると、自分の排泄物を自分で片付ける、とても道徳性のある行動にも見えますが、ここにも本来野生で生きる猫の知恵が隠されていたのです。

一般的な説では「自分の匂いと痕跡を消し去るため」であるといわれています。野生で生きる猫は、敵や獲物に対して自分の匂いを残すことは、縄張りを主張する意味よりも「襲われる」「獲物に逃げられる」といったリスクの方が大きくなります。

つまり、自分のテリトリーを主張しつつも、存在そのものはボカシておかなければならならないのです。そのため、排泄物を埋めて自分の明確な痕跡は消し、かすかな匂いでテリトリーを主張しているといわれています。

また、イギリスの動物学者 デスモンド・モリスによれば、これは「ボス猫への配慮である」ともいわれています。モリス博士が野良猫の社会生活を調査した結果、野生で生きる猫の中でも最上位に立つボス猫は、自分の排泄物を埋めないことがわかりました。それどころか、わざわざ塚の上や小高い丘といった目立つ場所で、排泄を行っていたのです。この調査により、排泄物を埋めるのは、社会的に地位の低い猫だけに見られる行為であることがわかったそうです。

たくさんの猫と暮らしている場合は、この説を元にすれば、あなたの家の愛猫さんたちの力関係がわかるかもしれませんね。ちなみに我が家の11Catsには「ボス」という名前の子がいますが、これは「顔がボスっぽい」という理由だけで付けられた名前です。

実際の本人はとても気が弱く、性格もおっとりとしているので、とてもボス猫という器ではありません。そんなギャップが、我が家のボスの魅力です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は猫の不思議な行動の中でも、一般的に広く知られているものを3つお届けしました。「毛づくろい」「水をイヤがる」「ウンチを隠す」どれも、猫特有の行動ですが、その裏には様々な理由や猫の気持ちが隠れていましたね。

こうして、一見不思議だと思える行動にも、きちんとした理由があるということを知ることで、さらに猫のことを理解して頂ければと思っています。この記事を読んで頂いたあなたに、読む前よりも少しだけ、猫のことをより好きになって貰えていれば幸いです。