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現代では猫好きな人が増えつつも、10人に1人くらいの割合で『猫アレルギー』を持っている人がいるそうです。
僕もそんな猫アレルギーを持つ、猫が大好きな人間の中の一人です。
猫と遊べば、すぐに目は腫れて真っ赤になり、くしゃみや鼻水が止まらなくなります。
それでも我慢して遊んでいると喘息(ぜんそく)が発症して呼吸が苦しくなり、喉から「ヒューピュー」と変な音がし始め、今度は咳も止まらなくなります。
さらには、猫と遊んでいるうちについた引っ掻かき傷は、まるで蚊か蜂にでも刺されたかのように腫れあがります。
そんな僕でも、今では11匹の猫たちと、とても充実した楽しい毎日を過ごせているのです。
ポイントは『一緒に』ではないというところなのですが、これは後述・・・
そこで今回は『猫アレルギーを持っている僕が、11匹の猫と暮らすために行った 3つの対策』というタイトルで、今の幸せな暮らしを得るまでに至った経緯と僕なりに行った対策をご紹介したいと思います。
僕と同じように、猫が大好きなのに猫アレルギーを持っているため一緒に暮らすことができない、また、猫アレルギーそのものに悩んでいるという方のお役に立てれば幸いです。
もくじ
僕と猫アレルギーとの出会い
僕が自分で猫アレルギーであることに気が付いたのは、小学生のころでした。
学校の行事で行った林間学校の夜。キャンプファイヤーで盛り上がったあとの宿舎に戻る途中の山道で、一匹の小さな子猫を見つけました。
記憶が少しあいまいなのですが、目はちゃんと開いていたので、おそらく生後2〜3ヶ月くらいの子猫だったと思います。
そのあまりの可愛さに、撫でたり、一緒に草や枝で遊んだりしていたのですが、宿舎へ戻る時間も気になりはじめていたので、友達数人と辺りにいるはずの親猫を探すことにしました。
10分か15分くらいでしょうか?
比較的ひらけた山道沿いの草むらや、少し離れた雑木林の中も探してみましたが、結局、親猫や兄弟猫を見つけることはできませんでした。
そこで、僕たちは「とりあえず連れて行こう」と、その子猫と一緒に宿舎へ帰ることにしたのです。
今にして思えば、これはちょっと軽薄な判断でしたね。人間に警戒して親猫が出てこなかった可能性もあるので、少し離れて様子を見るのが正解だったと思います。
そんなこんなで宿舎に子猫を連れ帰った僕たちは、キャンプファイヤーで配られた牛乳を飲ませたり(注意:人間用の牛乳を猫に飲ませてはいけません)子猫用のベッドを作ったりしながら、ひとときの幸せな時間を過ごしました。
またこの子猫は、当時僕らの間で流行っていたジュースの名前から『ライモン』と名付けました。
とはいえ、先生に見つかれば「捨ててきなさい」といわれかねないので、同じ部屋の友達に協力を仰ぎ、ライモンを隠しながらその日の夜を過ごしたのでした。
さて、次の日は家に帰る予定の日です。
さすがに帰りのバスの中でライモンを隠すことは無理だと判断した僕たちは、先生にきちんと面倒を見ることを前提に、ライモンを一緒に連れて帰る交渉をしました。
このとき先生が何をいっていたのかは忘れてしまいましたが、当時、学級委員長だった僕がライモンの引き取り役になることで一緒に帰れることになったのです。
こうして我が家の一員となったライモンは、僕の部屋で一緒に暮らすことになりました。
この頃はとにかくライモンが一番で、学校に行っている間もライモンのことばかり考え、一刻も早く家に帰りたいとばかり思っていたことを、今でもよく思い出します。
しかし、そんな幸せなライモンとの生活も長くは続きませんでした。
いつからか、僕はライモンと一緒に遊んでいると目が真っ赤に腫れ、喘息の症状が出るようになりました。
あまりにも症状がひどいため、親と一緒に病院に行って検査を受けたところ『猫アレルギー』であるとの診断を受けたのです。
絶対にライモンと別れたくなかった僕は、目の腫れや咳を我慢して一緒の生活を続けていましたが、症状はひどくなる一方で、ついには夜も全く眠れないほどに悪化してしまいました。
そんな状況ですから、さすがに親からも「ライモンは、誰かに引き取って貰いなさい」といわれてしまいます。
それでも僕は、全く知らない人にライモンを預けることがどうしても嫌で、頑なにライモンと離れることを拒み続けました。
しかしそんな状況を見かねた、林間学校で一緒にライモンを保護した友達が「ライモンはうちで預かる」といってきてくれたのです。
その友達は、小学校でずっとクラスが同じだった僕の親友でした。
誰よりも信頼できる友達の申し出だけに、これ以上の方法はないと判断した僕は、泣く泣くその友人にライモンを引き取って貰うことにしました。
その後は、何度も何度もその友人の家へライモンに会いに出かけては、目を真っ赤に腫らしては咳き込んで帰ってくるという生活を送るようになりました。
これが僕の『ライモンと猫アレルギー』との出会いでした。
猫アレルギーの再来
ライモンとの出会いで猫アレルギーを自覚した僕は、その後数十年、猫と接する際には細心の注意を払うようになりました。
それでも、何度か楽しかったライモンとの毎日を思い出しては、また猫と暮らしたい衝動に駆られ、その度に猫アレルギーの辛さを思い出しては踏みとどまる、といった暮らしを続けていました。
しかし、そんな均衡は突然破られました。
それは、当時付き合っていた彼女(今の奥さん)の妹が子猫を保護し、その子の面倒をうちで見ることになったのです。
このときの僕たちは同棲をしていて、彼女は僕が猫アレルギーであることを知っていたので、子猫用の部屋を用意し、少し大きくなったら里親を探そうということになりました。
また、僕も自身も「猫アレルギーを発症してからずいぶん経つし、もう大人になったから大丈夫だろう」と気楽に考えていたのですが、それは全くの思い違いでした。
保護した子猫と暮らし始め、ほんの数日後には猫アレルギーの症状が重くなり、くしゃみや咳で全く眠れなくなってしまったのです。
この状況をなんとかするべく、子猫の里親を急いで探そうという話も出たのですが、すでに家族の一員となっていた子猫を手放すことがどうしてもできず、結局、彼女が新しいアパートをもうひとつ借りてくれることになりました。
このときの子猫が、今の11Catsの最初の家族である『コキチ』です。
その後、新たに保護した子猫が子供を産み、どんどん我が家の家族が増えていくのですが、これが僕の人生の中ではじめて「猫アレルギーと真っ向から向き合っていこう」と覚悟を決めるきっかけとなったのです。
僕が行った猫アレルギー対策 その1『症状の原因を調べた』
こうして新しくコキチが家族となったわけですが、やはり彼女のアパートへ遊びに行くたび、くしゃみや咳が止まらず、目は真っ赤に腫れてしまいます。
今回はライモンのときのように「友達に引き取って貰う」という選択肢はありませんので、僕は猫アレルギーと真っ向から向き合ってみようと考えました。
まずは、専門の病院できちんとした検査を受け、猫の何がアレルギー症状を引き起こしているのかを徹底的に調べて貰いました。
猫アレルギーの人は、その人その人による様々な原因でアレルギー症状が発症するそうですが、僕の場合は『猫のフケ』と『猫のウンチ・おしっこ』が主な原因であることが判りました。(他には、猫の被毛、唾液、分泌されるホルモンなどがあります)
そこで、コキチのトイレ掃除はできるだけ彼女にお願いして、部屋の掃除をこまめに行い、ミクロのチリも吸い取ってくれる空気清浄機を導入するという対策を立てました。
これだけで全く症状がでなくなったわけではありませんが、それでもかなり状況は改善し、今まで数分ほどしかコキチと遊べなかったのが、数時間〜半日くらいまでは大丈夫になりました。
また、鼻水とくしゃみ対策には『鼻炎カプセル』
喘息の症状に対しては『吸入型の気管支拡張剤』と『ホクナリン(貼るタイプの気管支拡張剤)』を常備することで、最悪の事態にも備えました。
余談ではありますが、こうした薬を常備するようになってから「最悪の事態も大丈夫」といった安心感からか、猫アレルギーの症状が軽くなったような気がします。
「病は気から」というのも、あながち迷信ではないのかもしれません。
僕が行った猫アレルギー対策 その2『マスク着用・衣服にも気を使う』
猫アレルギー対策の中では最も簡単にできるものの、意外と実行してない人が多いものに『マスクの着用』と『衣服選び』があります。
確かに「そこまでしたくない」という気持ちもわからなくはないですが、たったマスク1つ、服選び1つで得られる『猫との幸せな時間』には、計り知れないほどの大きな価値があります。
もし猫アレルギーにお悩みで、この対策を行っていないのであれば、だまされたと思って1ヶ月ほど我慢して続けてみてください。
きっと「マスクくらいならいいか」「別のところでおしゃれを楽しめばいいか」と思って頂けるはずです。
また今のマスクは、年々発症者が増えているといわれる花粉症対策や、一時期、大流行したPM2.5対策によってかなり高性能なものも増えてきました。
「マスク一つでこんなにも楽になるのか」と思うほど高い効果が期待できますので、ぜひ一度お試しください。
また、服選びについては『できるだけ毛が付きにくい素材のものを選ぶ』だけでもずいぶん違います。
個人的に考える最大の対策は『雨ガッパの着用』ですが、これはさすがにマッドサイエンティストのような見た目になってしまうばかりか、動くたびにシャラシャラと音がして猫にも迷惑がかかりそうなので実行はしていません。
具体的には、ナイロン生地でできた衣服(表面がシャカシャカしているもの)やウインドブレーカーなどのスポーツ用品がオススメです。
また、カーペットクリーナー(コロコロ)を常備しておくことで、衣服についた被毛をすぐに取ることもできます。
こちらも今日からすぐにできる対策なので、ぜひお試しください。
僕が行った猫アレルギー対策 その3『猫との居住区域をわける』
我が家は『新しいアパート借りる』といった大規模な対策を取りましたが『人間用の寝室』や『猫用の部屋』といった感じで、生活圏内の居住区域をわけることが、何より効果的な対策です。
また、家の中にぬいぐるみを置かない、じゅうたんをフローリングマットに変えるといった対策も忘れてはいけません。
ちなみに、現在の我が家は11匹まで家族が増えたため、狭いアパートではなく大きな一軒家を借りて、そこで奥さんと猫たちが暮らし、猫アレルギーの僕は近所のマンションで暮らすといった、かなり特殊な生活スタイルになっています。
とはいえ、このままでは不便なことも多いうえに、愛猫たちの顔も気軽に見ることができないので、いつかそこそこ広い土地を購入し、そこに奥さんと猫用の家を建て、離れとして僕用の家を建てるという計画を立てています。
少し話が逸れましたが、猫アレルギーで一番辛いのは「眠れなくなること」です。
もちろん、延々と垂れてくる鼻水や器官が狭くなって呼吸が苦しいのも辛いのですが、最悪、起きている間は薬を飲むことで対処することができます。
しかし、睡眠が妨げられるほど辛いことはありません。
『寝室をわける』だけでも、意外と日常的な猫アレルギーには耐えられる場合も多いので、目の前の問題だけに囚われるのではなく、少しだけ視野を広くして、ときにには大胆な対策を取ることもオススメします。
僕の猫アレルギー対策 まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、僕が実際に現在でも行っている猫アレルギー対策をお届けしました。
ただ『住む家をわける』といった極端な例もあったので「すぐには実行できないよ」と思われているかもしれません。
そこで最後に、一般的によくいわれる『猫アレルギー対策』をまとめ、段階ごとに分けた一覧表をご用意しました。
この中で、あなたの暮らしにあった対策を見つけて頂ければ幸いです。
*『猫をこまめにお風呂に入れる』という対策は、個人的に人間本位な対策であると思っているため、省いてあります。
猫アレルギーは、病院で診断を受けた際「猫との暮らしを諦めなさい」といわれる場合がほとんどです。
また、一緒に暮らし始めてから猫アレルギーであることに気が付き、泣く泣く里親に預けるといったこともあるでしょう。
しかしこの場合、一番の被害を被るのは、何の責任もない『猫たち』です。
そんな不幸な猫たちを少しでも減らすため、またあなたと愛猫さんが共に豊かな暮らしを築きあげるためにも、本記事が少しでもお役に立てることを切に願っています。